Dialog in the Dark
以前紹介したDialog in the Darkという体感型展覧会へ行ってきました。日本におけるドイツ年 2005/2006,ドイツ体感スクエア DEUTSCHES HAUS(D-ハウス)という企画の中の一環です。
みなさんは本当の暗闇を体験したことがありますか?目をつぶっても光を感じるし、電気が無くても月明かりがあるし、暗い部屋に入ってもだんだん目が慣れてくると多少は見えてきますよね。私は今回初めて本当の真っ暗闇というものを体験しました。もちろんずっと目を開けてても一切何も見えてきません。1cm先すら見えません。ただ頼りになるのは視覚以外の五感白杖(はくじょう)という白い杖1本のみ。約1時間にわたる未知の体験。案内人の方は視覚障害者の方です。初めて出会った7人と、案内人の木下さんと一緒にいざ暗闇の世界へ!

驚くほどの真っ暗闇...。最初は恐さと不安からか、すり足でちょっとずつしか進めませんでした。そんな中、木下さんの「こちらですよ!」という声が聞こえます。その声はまるで光のようでした。不思議と不安感がやわらぎ、声のする方へちょっとずつ歩いていけます。7人がそれぞれ「ここに段差があるよ」とか「ここは地面がフワフワしてるよ」などと声を掛け合いながら進みました。この中はいくつかのエリアに分かれていて、様々な体験ができます。エリア別に紹介します。

・森の中・・・まず感じたのはフワフワした地面の土の感覚と土の匂い。そして生い
       茂る葉っぱが手に当たりました。久々に感じた土の香りです。遠くで
       小川の流れる音も聴こえます。水に触れるといつもと違って手の感覚
       が敏感になっていました。

・階段、吊り橋・・・暗闇の中だととても慎重になります。階段は何段あるのかわか
          らないし(この時は木下さんが段数を教えてくれました。)
          吊り橋は思った以上に揺れを感じました。思わず手摺をずっ
          と握り締めてしまいます。

・公園・・・子供達の遊ぶ声が聞こえます。地面に触れると砂の感触。ここでブラン
      コに乗りました。地面から足を離してこぐといつものブランコとは全く
      違う感覚が!まるで宇宙遊泳のよう!無限に広がる宇宙にいる感覚で楽
      しかったです。

・野菜、木・・・道の途中に野菜や木の彫刻がありました。木は桧の香りだとすぐわ
        かりました。見えないことで触覚も徐々に優れてきて、野菜は触っ
        ただけで何かを感じる事ができます。闇の中だと嗅覚も優れてき
        て、いつも以上に野菜の香りを感じました。

・電車・・・ホームにある黄色い点字ブロックをこれほど大切だと思ったのは初めて
      です。ブロックの先に電車が走っているのがわかります。白杖でブロッ
      クをたどりながらホームに落ちないよう歩きます。点字がなかったら間
      違いなく転落するでしょう。

・Bar・・・バーに入ってくつろぐ事に。まずテーブルと椅子を探します。うちの母
      は気づかずに厨房に入っていったようです笑。メニューを読みあげても
      らい注文。グラスの位置を手を取り教えてもらいます。香り、温度、
      味、全ての感覚が研ぎ澄まされ、いつもより美味しく感じました。

出口を出る前に目を徐々に慣らす為、豆電球の三分の一程度の明るさの部屋を通ります。それでもちょっとまぶしいくらいでした。やっと人の姿が見えホッとした途端に小さな段差につまづきました。暗闇ではつまづくことは無かったのに、急に視覚に頼って逆に油断していたんでしょうね。五感は自らの意思で意識して研ぎ澄ませる事が大事だと思いました。

この体験をしたことで自分の中に眠っていた五感が呼び覚まされました。と同時に視覚の大切さも知りました。よくよく考えると木下さんは案内をする時、みんなに声が届くように後ろ向きで進んでいたんですよ。闇の中を自由自在に動けるってすごいですね。そして視覚が不自由な分、聞き上手でもあります。一言一言から優しさを感じました。
私自身、普段は初対面の人や対人関係が苦手なのですが、暗闇を歩くことで驚くほど自然に手を取り合ったりしている自分に気づきました。何の抵抗もなかったです。むしろお互いの存在がどれだけ心強かったことか。世の中助け合いですね。

木下さんは触針時計という腕時計をしています。闇の中で「歩き始めて45分経ちました。」と言った時、なんで時間がわかるんだろう?と思っていたのですが、この時計は上のカバーが開くので直接触って時間を読み取るのです。とはいえ私たちには到底読み取れません。昔点字を独学で少し勉強したのですが、指先で読み取るまでには至りませんでした。すごく難しいんです。みんなが「触れて読み取るなんてすごいですね!」と言うと、「私は暗闇歴が長いので。」と笑って答えていました。この言葉に胸を打ち抜かれました。誇らしげに答えた木下さんの顔はとても輝いて見えました!

そんなこんなで長くなりましたが、まだ予約できるので(残り少なくなっているかも)もし良かったらDialog in the Darkへ行ってみてください!

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by 1492-eri | 2005-10-13 08:53 | いろんなこと
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